ここではポーターの競争戦略を紹介します。この競争戦略は中小企業診断士試験でも必ず出題されるというもので、それだけ実際上も重要だといえます。
ポーターは「競争上の優位性」を獲得するには次のような戦略が効果的だとしています。
1)コスト・リーダーシップ戦略(低原価戦略)
競争企業よりも低い原価を達成し、コスト面で主導権を狙う戦略です。これによってシェアを高め、規模の経済(同一製品なら、多く生産した方が、製品単位のコストが低くなること)を達成し、いっそうコストダウンを実現するもの。達成するには厳しい原価管理や研究費や広告費を最小限に切り詰める事が重要です。
2)差別化戦略
他社に見られない特色を出し、独自性を打ち出す戦略です。品質やデザイン、他にない付加価値、包装や広告でイメージを高める、販路やアフターサービスで差をつける等。
3)フォーカス戦略
市場を細分化し、自社の能力にあう一部分の所のみに焦点をあわせ、そこで優位に立とうとする戦略。競争の範囲を特定の部分に絞り込んで低原価もしくは差別化を達成するもの。
ちなみにポーターはこの両者(コストリーダーシップと差別化)を同時に追求することは困難だとしています。
競争地位の類型
自社の市場における競争地位を明らかにする事です。
1)リーダー
業界最大手の企業のこと。最大シェアを獲得している。
2)チャレンジャー
リーダーの地位を狙って挑戦する企業。業界2番手、3番手を位置。
3)フォロワー
リーダーやチャレンジャーの優れた市場戦略を模倣し、安いコストで市場内に存続する
4)二ッチャー
市場内のすきま(ニッチ)を探り出し、そのすきまに自らの圧倒的な地位を築こうとする。リーダーやチャレンジャーやフォロワーとは競合しないという特徴をもつ。
競争対抗戦略
成熟市場においては企業間の直接的な競争が現実を帯びてきます。そして競争市場でも一定の定石的ルールが存在します。
リーダーの戦略定石
市場全体をねらって戦略を策定する、オーソドックス戦略が適している。
1)周辺需要拡大政策
リーダーは経営資源が最大の為、周辺需要を拡大させれば自身のシェア分だけ新たな獲得が出来る。リーダーがまったく独自に市場を作るやり方と、業界協調型の周辺需要拡大の方法の2つがあります。
2)同質化戦略
「同質化戦略にもちこめば、規模が大きいところが勝てる」という原則があり、他社の製品やマーケティングをそのまま真似することです。リスクが少なく、投資もかからない効率的な戦略です。
3)非価格競争戦略
リーダーが価格競争しないということは重要な鉄則です。リーダーが価格競争に巻き込まれてしまうと他も追随し、業界全体が低迷します。リーダーのイメージが下がり、その地位も危うくする。基本的にリーダーは価格戦略をする必要はありません。
チャレンジャーの戦略定石
リーダーと比べて経営資源に劣るので、リーダーと同一化戦略をとると、規模においてまさるリーダーにはかないません。 ゆえに徹底的な差別化戦略をとります。リーダーに出来ない非オーソドックス戦略を果敢に遂行します。創造的で革新的な戦略が主体です。
フォロワーの戦略定石
リーダーとチャレンジャーが争っている所は諦め、真似をして二次、三次市場を獲得しようとする。模倣戦略という。リーダーほど力がないので、人々に認知されにくく、市場シェア拡大は難しい。
二ッチャーの戦略定石
独自部分そこだけに投入するので強みを発揮する。事業領域は範囲の限定化を強く打ち出し、そこにあうニーズと技術ノウハウを使う。対象市場、独自能力の限定化、特定化をする必要がある。
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